seigikann’s blog

歩んできた警察人生、成長していく中で分かってきた組織の闇と腐敗した体制を公開、小説、エッセイ、日記的に楽しんで頂ければ幸いです。

内勤実習 交通課へGo

警察学校初任科を卒業し、警察署へ配置
交番で修業を積んだのち、再度初任総合科として警察学校へ再入校するまでが新人枠の制度です。
ここまでは、我々の身柄は警察学校付き○○警察署所属のいわゆる条件付き採用という訳だ。
この条件付き採用とは、公務員はクビになりずらいが、条件付き採用の状態でなにかやらかせば、すぐにクビを切れるという制度である。
条件を満たしていないからグッバイ!

そうして、警察学校に入校することになるのですが、最近始まった新しい制度で内勤実習制度なるものを我々が体験することになるのです。
交通課、生活安全課、刑事課 交番が実務でだいたいこのどれかの課が担当になり書類の引継ぎを行うことで、こいつらの顔と名前を知っておいて、さらに自分らもアピールしておけるというメリットがある。
アピールとは、この交通課など内勤とよばれる専門課にも課員が存在していて、公務員である以上は転勤は免れないし、もっというと課員の不倫やうつ病などで配置換えが頻繁に行われる。そう言いかえると不倫などで配置が内密にコロコロ変わるのだ。

だから内勤としては優秀な若い子が欲しいのだ。

当然新人がどんな仕事ぶりを見せるのか、成績はどんなもんか、みな興味ないふりして興味深々だ、将来の部下になる人間かもしれないのだから。

この警察署では、まず交通一課(取り締まりなどを行う課、交通事故を扱う係は交通二課になる)に1週間(月~金)次に生活安全課に1週間、最後にお待ちかね刑事一課1週間、刑事二課一週間合計4週間実習することになる。

最初は交通課へGO

同期と私は交通一課へ実習となり、それぞれ違う係へ配置された。
配置といっても取り締まり部隊は2班しかなく、班員は3人だ。
SRと呼ばれる、パトカーに乗り込み、速度の取り締まりをひたすらやる。
SRとはスピードレーダーの頭文字を取りSR
通常のクラウンパトカーの回転灯の真ん中にカメラ付きの箱型取り締まり器を積んでのSR(これは追尾式と言って、定点で止まってSRの箱からレーダーを出して、走ってくる一般車にそのレーダーをぶつけて跳ね返りの速度を測ってその車が今何キロで走行しているか計測できる仕組みらしい。)で測定するやりかたと、

ネズミ捕り
パトカーではなく、定点に速度計そのものをおいて警察官は木陰に隠れながらコソコソと一般車に向けレーダーを照射する。
箱は路肩において、レーダースイッチは箱から約5Mほど後ろの木陰までスイッチを伸ばして警察官が「えい」ってスイッチを押す仕組み
一定の速度(その時取締りたい速度(60K規制の国道であれば、通常75Kとかで引っかかるように調整されているが、今月ノルマ達成がきついなどの諸般の事情が絡んだ時は60Kのところ65Kで引っ掛ける仕様に調整されている))でさらに後ろのワンボックスで待機している切符切り部隊に通知されるので、停止係がでかくて赤い「一時停止」と書かれた大旗をもっていきなり自分の車の前に飛び出してくる、一般車はあぶねっと急ブレーキ
警察官は「お急ぎでしたー?」とアホの顔で急ブレーキの一般車に話しかける、ワンボックスに拉致されて切符を切られる。
後ろを振り返ると切符きられる順番が列をなしている。

警察の違法取り締まりではないが、(速度はいずれにしても超えての取り締まり)一般市民からしたら納得はいかないであろう。
ノルマとはそういうものだ。

私は当時パトカーでの追尾式をやる班に入ってしまい、一日中同じ場所で止まって違反者を狩っていた。
取り締まりをする人の得意な狩場というものが存在しており、当時の交通課の巡査部長は、市内から少し離れた郊外の見晴らしの良い1本道に照準を絞って狩っていた。
で、すげく狩れるのである。
理由はその一本道の速度がちょうど乗ってきたあたりの古民家の敷地内にパトカーを止めているから、この場所からではパトカーが認識しずらいのである。ここで取り締まりやっているのを知っている人であれば、古民家の陰に隠れているパトカーには気が付くであろう。
ちゃんと前を見て、横腹から出てくる車に注意して走行している優良ドライバーであればちゃんと見えるのだ。
しかし、一般車はそうはいかない、集中して運転している人間なんて2割にも満たないと思うし、だいたいが何かしら考えながらだとか当時はオーディオ(音楽的な機器)をいじりながら、地デジを見ながらの「ながら走行」であったから、パトカーに認識できるわけがないのだ。
それでスピード凶の一般車が釣れるわけだ
※ 一般車さんのことを狩るとか発言して不快な思いの方もいると思いますが、これは警察のリアルなのでご了承下さい。