seigikann’s blog

歩んできた警察人生、成長していく中で分かってきた組織の闇と腐敗した体制を公開、小説、エッセイ、日記的に楽しんで頂ければ幸いです。

エリート街道爆進中が、うっかりうつ病へ~教官編~

警察学校には、たくさんの教官がいますが、一様に言えるのが

皆教育免許はない

と言う事です。


警察学校に赴任する理由は主に2つ
◯警察署で成績を残し学校を希望しているエリート
◯警察署で使えないやつ
の2つです。

エリートはなんとなくわかりますよね。

実績を残していて実践的なことをこれからの警察官の卵たちに現場とはこうだ!と教えるのです。

あとは使えない奴
使えないやつなんて学校に来ても、そいつに教えられたらまた使えないやつが誕生してしまいます。

その他は

理由が様々です。
警察署は時間が不規則な部署があり刑事は完全に時間感覚がないですし、交番は3交代制で当直非番労休です。

当直は朝830から翌830まで
非番は残務処理で無線など引き継ぎしたら昨日発生した逮捕事案にならずかつ交番で処理予定のなんの評価にもならない事案の書類作成です。


交番員はこれを終わらせて家に帰ります。
だから人にもよりますが非番は夕方まで警察署にいる場合もあります。
ですから長時間労働ありきです。
よって親の介護など理由がある人は学校で定時帰りを希望したりします。
時間は定時でプライベート優先の給料ゲロ安

不規則長時間労働でプライベート皆無の給料少しましかな?

の選択になります。

話はそれますが全国警察はみな給料水準が同じです
同僚の金を盗んだり万引きしたり犯罪する馬鹿たれが後を立ちませんが、気持ちは分からないでもないです。
だって激務にしては金が安い
犯罪の理由にはなりませんが

ただ金は借りられます。

金融機関に融資の申し出をすると秒でOKの返事で3000~5000万円くらいなら貸してくれます。理由は公務員は倒産しないから

これは住宅ローンとかに当てハマりますね。

同僚はマックス5000万円かりて首が回らなくなったと聞きましたが、その後は知りませんし怖くて聞いていません。

話を戻します。
学校といえども公務員、転勤はあります。
転勤の理由の一番は「昇任試験に合格し階級が上がる」

2番目は「不祥事起こしたから島流し

です。


学校は警部補が一番下にいるので次は警部になるパターンです。

警察署では刑事なら刑事一課の課長、つまり一課の頭です。

警察署の構図は
警察署長、副署長
これは警視が一般的ですが、札幌中央や苫小牧警察署あたりは警視長が署長をやります。
理由は規模がでかいから

下に刑事生活安全官通称ケイセイカ
地域交通官通称チコウカン
が居ます、これも警視の階級

下に各課長、これは警部かやります。
課長は

地域(交番など)交通(パトカーで交通取締
警備(なにしてるか不明)警務(経理とかそんな感じ)
生活安全(ストーカーとか未成年犯罪とか)
刑事(殺人、泥棒、詐欺、汚職、鑑識、薬物、拳銃、暴力団など)
これらの船頭が課長

あとはこれら係の係長、主任、平社員で構成されています。係長は警部補、主任は巡査部長、平は巡査 の階級がその役割となっています。

学校は良くも悪くもプライベート時間はたくさんあります。


エリートは自身の階級あげのために学校にくるパターンもあります。
あまった時間は勉強しまくり。
私の副担任もエリートの口で学校に来て、ちゃんと警部になり出ていきました。

真面目な性格で年齢も30代後半だったと記憶しています。

当時は30代で警部なんてエリート中のエリートでしたね。

すごい!!


しかし、警察署では現場たたき上げ至上主義が少なからずありました。

現場のたたき上げとは、例えば刑事警察であれば、巡査から刑事になって地べたはいずりながら捜査して(上司のいじめに耐えて)巡査部長(主任)へと階級を上げ、取り調べをして(取り調べは巡査部長の仕事で、取り調べが弱いと刑事としては終了)被疑者が自白するまで被疑者と自分を追い込み、なんとか耐え現場力を蓄え、警部補(係長)へ昇任して係の頭まで出世して、今度は部下が捜査した書類を精査して、裁判所と検察庁の間に挟まれ、上司(警部)との連絡係をしてガサを実施するのに逮捕して捜査成功するのも、失敗するのもすべて自分のせいだと上司に圧を掛けられ神経をすり減らしガサの前の日は一睡もできず目ギンギンにして捜査へ向かい、ガサが成功したら、その日は打ち上げで吐くまで上司に飲まされ、失敗したら数日間お通夜ムードを出さなけらばならない・・・・

 

のが現場のたたき上げです。

 

しかし、ただペーパー試験に受かりました、はい刑事の頭の課長です

というのは現場の上記たたき上げの人間からすると、許せないのです。

まあただのやっかみと勉強できないひがみ根性です、はい

 

彼はもえなく、若くエリートだったが故にイジメられ
ウツ病を発症し現場を降ろされました。
またイジメですよ、警察署は叩き上げが一番すごいし偉いみたいな風潮があります。

若くて頭のよい幹部に劣等感があるんでしょう
しかし、若くエリートも試験さえ通過したらポンポン階級が上がるのも事実

現場では頭は良いが使えないのが多いですね。
例えば机上の空論はうまいが実際現場はイレギュラーの連続、机上の空論ではなくイカにうまく回すか機転をきかせるかがポイントになる場面も多い。

まあどちらもだめな奴が多かったですが

私が学校を卒業して数年後ウツ病になった元副担任に会いました。
まだ、その警察署にいました。
転勤時期は過ぎているのに、ウツ病になると放置されるのは基本です。
彼はおじいちゃんみたいな見た目と話し方に変わっていました。
昔はハキハキしていたのに
彼もまた組織に◯ろされた一人でした。
階級も上がることなく現場にはです。
窓際に押し込まれて仕事も雑用しか与えられず
昔は正義感があり、なんらかの夢と目標がありサツになったが今は・・・

彼と普通に話した後、彼から「大きくなったね」とぼそっと言われたのを強く覚えています。

 

私は当時自信に満ち溢れていたので、彼にはそれがまぶしく見えたのでしょう。

自分の教官がなんだか小さく見えました。

しかし涙は出ませんでした、自分にはやることがたくさんあったので

彼と話すと振り向かず踵を返すのでした。