seigikann’s blog

歩んできた警察人生、成長していく中で分かってきた組織の闇と腐敗した体制を公開、小説、エッセイ、日記的に楽しんで頂ければ幸いです。

独身寮と初出勤

札幌以外の地方都市、この街には2つの警察署があり、東と中央の警察署が地方都市を支えている。

私は東に配置になった。
もう一人は警察学校時代の同部屋の奴だった。(同期で同じ部屋の奴)
彼とはそこそこ話すくらいでそこまで親密というわけではなかったが、彼と私は後にとても仲良くなり切磋琢磨する関係になる。

いや、切磋琢磨はしていない、彼は出世や仕事ができる人間に興味がなかったから・・・ただただいい奴ではあった。

中央には一緒に電車できた、あとの2人が配置になり、一人は独身寮へもう一人は警察学校時代にお付き合いしていた彼女を孕ませて妊娠させ、いわゆる今の言葉を借りれば授かり婚をしたのだ。
だから独身寮の裏にある警察官舎に入居したのだ。

独身寮は、一応一人部屋で6畳のワンルーム、ただの空間があるだけ
東と中央の独身警察官が入居しており5階建ての一階が食堂兼管理者の空間
2.3階は東、4.5階は中央の警察官が住んでいる。
各階には部屋が20部屋あり私は2階の部屋で同期とは隣同士、部屋の壁はかなり薄く咳払いはもちろんおならまで普通に聞こえる。

夜中寝ていて、ノンレム睡眠時にとなりから「ばぶ!」と聞こえると起きてしますのだ。
部屋の空間どうなっているのだ。
 
洗面所とトイレは共同で階の真ん中にあり、朝は洗面所とトイレ争奪戦になる。

風呂は一階に大浴場があり結構でかめだった。
たしかに寮にMAX80名の独身警察官が住むので当たり前なのか。ちなみに女はいない。
いたらすぐ妊娠してしまいます。

食堂は朝夜付ですでに我々の名前の追加された簿冊が用意されていて、朝食が食べたいなら前日の20時までに朝食欄に丸を書く、夕食も同じで同日の12時までに丸を書くのがルール。

警察学校の卒業式を終え、電車に乗り地方都市には夕方付いて駅には警察署の先輩と思われる人が護送車で我々を迎えにきていた。

彼は自己紹介もなく
はい乗ってーと我々を護送車に押し込み無言で独身寮まで護送してくれた。
車内は当然無言、リアル先輩を前にして不安が広がった。
後にわかるがこの無言先輩、仕事ができずに年齢はかなり高いが今だに巡査長と判明

たしかに仕事は出来なさそうである。

独身寮でポイッと降ろされなんにも言わずに帰っていってしまう。

しかたなしに独身寮に入り、食堂のおばちゃんが目に入ったから話かけたところ、このおばちゃんこそ寮母さんであったので説明を受けて無事部屋へ。

にしても無言先輩なんか説明すれや、と思うが新人なので我々には、反論や口答えはすなわち警察官での死を意味する。

部屋のドアをあけると上記の説明の通り6畳の空間があるだけ

私は唖然としながらも頭をフル回転
まずは寝床が最優先、エンタメのたぐいは後だ
警察学校から独身寮に大きな荷物は郵送したが、さすがに布団はない。
すぐに必要なものをメモして、無言先輩が連れてきてくれた道を思い返すと付近にホーマックがあったことを思い出した。

まずは布団を購入しよう。
スーツのままホーマックへ歩いて向かう。
ちなみに私のスーツは電車のなかで何かにひっかかりおしりが割れ目に沿って破れている。

しかし背に腹はかえられないのておしりが破れているスーツ姿でホーマックへ。

革靴て布団やらなんやら最低限を買い込み独身寮へ戻るとタイムアップ
布団を敷いたらもう明日の用意をなんとかして、あとは布団に倒れ込みました。

気がついたら朝でした。
朝は取り敢えず朝飯を食べ、独身寮前から出ているバスに乗り込み一度駅前まで出て、駅前から東の直近まで出ているバスに乗ります。

当時はまだネット検索など便利ではなかったため時刻表の紙が食堂に張り出していたため、メモして同期と出勤時間を決めました。
なんとか東警察署にたどり着きましたが毎日こんなことできないとしんどくなりました。

この地方都市は地下鉄などなく交通網はバス
駅前にバス乗り場があり、駅前にきたら大体どこにでもバスでいける様になっています。

ちなみに東は地方の本部と合体している警察署なので見た目はでかくイカついのです。

さて、初出勤
どんな出会いと事件が待っているのか

 

にしても、疲れすぎてスーツのおしりが破れていることに警察署で気が付く

 

この語、帰るまでばれないようにトイレで安全ピンで尻のスーツの割れ目を止め大股にならないようにできるだけ内股歩きで「おねえ」のように一日過ごしましたとさ。